ご挨拶

株式会社 恵葉&菜 健康野菜
代表取締役 池 祐史久

 地球環境学者らの見解では、地球の自然環境下による農業・漁業・畜産等による食料供給は約50~60億人が限界であるとされています。現在、世界の人口は75億人に達し、すでに地球環境自体の機能を超えています。こうした状況下で、農業の工業化は必然といえるでしょう。植物工場は、食糧生産の工業化の一つの手段で、今後の世界のために必要な事業であることは確かです。

 弊社は創立以来、創造的な未来産業として農業の工業化に取り組み、新たなマーケットの創出につとめてまいりました。そのなかでこだわってきたのは、美味しく、高品質であるということです。

 従来の植物工場野菜の品質は、露地野菜より低いものでした。これは、植物工場の生産に、露地水耕栽培の技術をほぼそのまま転用するにとどまっていたこと、また、消費者目線での野菜の品質・美味しさに対するマーケティングにまで目が届いていなかったこと、さらに必要なエンジニアリング技術の開発が進んでいなかったことが理由だと考えています。


 日本の伝統農法、つまり低硝酸・自然農法で育てた野菜は、品質は高く、美味しいのはご存じの通りです。しかし、近年の天候不順や地球温暖化により、徐々に品質確保が難しい環境になってきています。また、生産に当たってはその生産地特有の病気・虫・施肥・気候などに対して長年の経験が必要になりますが、農業の後継者不足の問題が深刻化しています。

 植物生理学の研究事例からみれば、野菜に含まれる抗酸化成分は環境要因により大きく変わることが明らかです。植物工場は、植物生理学に基づき環境制御することが可能です。近年、日本においては、野菜を食べる量が減少しています。高齢化社会が進む中、抗酸化値の高い、美味しい野菜を工業化することには、社会的意義があり、これからの健康社会に資すると考えられます。

 様々な事業者が植物工場に多額の設備投資を行い参画されています。しかし、事業者間の関係がクローズドな状況もあり、残念ながら基礎技術を把握されないまま、植物工場事業に参入されている事例が見られます。多くの事業者が植物の成長に必要な液肥成分の重要な情報を把握されていないなか、AI技術開発が進んでいます。また、自動化技術においても、野菜栽培の運用面、特性を考慮せずに製品開発されていては、実用化は難しいでしょう。

 植物工場の運営に必要な技術には、植物生理学・養液・分析等の農業学にはじまり、建築・空調・潅水等のエンジニアリングや金属・プラスチック加工・LED・自動化システムの機械・電気制御、さらに植物の栽培運用・衛生管理業務等、さまざまな分野があります。特筆した先端技術と言えるものはありませんが、習得に時間のかかるローテクノロジーの集積であり、また、大がかりなインフラ事業であります。

 私は植物工場の現場に携わり15年余り、ベンチャー企業で微力ではございますが、これまで培ってきた植物工場で高品質な野菜の栽培ノウハウを、オープンにご提供いたしております。

 植物工場に対しては、未だ国の政策や制度が整っていない状況です。こうしたなか、さまざまな業界の方と連携し、高抗酸化値・低硝酸などの高品質健康野菜のマーケットを創出することで、植物工場の事業化、新たな産業に繋げてまいりたいと存じます。そしてそのことを通じて、日本の食糧安全保障の問題に一端なりとも寄与できればと願っております。

経歴

1998年早稲田大学理工学部建築学科卒業、一級建築士 外資系コンサルティングファーム、植物工場事業会社での小規模、中規模、大規模植物工場の実務経験を経て、創業。

会社概要

会社名株式会社 恵葉&菜 健康野菜
本社京都府向日市上植野町定使田15-6
研究開発拠点 京都府立大学 精華キャンパス
代表取締役 池 祐史久 一級建築士 (第343778号)
営業許可 建築工事業・機械器具設置工事業 (般-1)(般-30) 第41795号
TEL075-275-0249
資本金2000万円
設立2015年10月(個人創業2012年10月)
事業内容高抗酸化値と美味しさを兼ね揃えた高品質な健康野菜の栽培研究開発
植物工場栽培プラントの開発設計・製造販売
植物工場 運用業務
上記に付帯関連する業務

メディア紹介

2016年 9月26日京都新聞 朝刊
2017年11月 9日日本経済新聞 朝刊
2017年12月15日読売テレビ「かんさい情報ネットten」
2018年 3月 6日テレビ大阪 夕方ニュース
2018年 1月29日NHK 京都エリア「京いちにちニュース630」 
のち関西エリア「ニュースほっと関西」
全国エリア「おはよう日本」
2018年4月18日NHKワールドJAPANにて全世界に配信

登壇実績

2017年6月トーマツ ベンチャーサポート Morning Meet UP
大阪イノベーションハブ 第75回「農業」に登壇
2017年11月国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構NEDOピッチ
ミューザ川崎セントラルタワー 第21回「アグリフード」に登壇
2018年2月東京産業21 Kick 発・京都次世代ものづくり産業雇用創出プロジェクト
けいはんなオープンイノベーションセンター(KICK)